リュベロン地方にある中世の美しい村、ルールマランは、30分も歩けば村中を周れてしまうほど、とてもかわいらし村だ。フランスで最も美しい村の一つでもあるこの村は、その称号の通りとても美しくて素敵な村。

 美しくペイントされた雨戸には、思い思いの植木が飾られ、石造りの古い町並みのあちこちが、花や植木でかわいらしく演出されている。村に点在するブティックも、とてもセンスが良く、いなかの小さな村なのに、とてもおしゃれな佇まい。それでいて、気取った感じがまるでなく、とても温かい雰囲気を醸し出している。

 毎週金曜日に開かれるマルシェには、周辺から思い思いのアートや雑貨や食料品が集まり、それはそれは楽しい雰囲気。数ある南仏のマルシェの中でもとても人気のあるマルシェだ。みんな、自分の商品・作品を誇らしげにならべ、お客との会話を楽しんでいる。ちょっとかわいい焼き物の鉢を買うと、「私たちは隣村にすんでいるのよ。今度遊びにいらっしゃい」　なんて言葉もかけられたり。

カフェには絶え間なく人々が集い、ワインやビールを飲みながらのんびりとおしゃべりにふけっている。かわいらしいブティックに入ってみれば、気の利いた素敵な小物達との出会いに心が躍る。大自然の中にぽつんとある小さな村なのに、どことなく品があり、おしゃれな雰囲気が漂っている。田舎というものの概念が覆りそうだ。

 夜、家族でやっている地元で評判のレストランへ行った。天井にたくさんつるされたポプリ、暖炉、キャンドルの光、レストランなのに何故かほっとリラックスして、何とも言えない心地よさにつつまれる。お腹も心も満たしてくれる素敵なレストランだった。ルールマランは、そんな「ぬくもり」に満ちている。